愛するKさん
タケシ、よかや
暖房じゃ暖まらんと
おっがどぎゃんカイロば使ったっちゃ
いっちょん足も腰も暖まらんとだけん
足の暖まらんと眠れんと
やっぱ風呂に入らんと体の暖まらんとばい
父の友人、Kさんは嬉しそうにお風呂から出てきた
顔が少しだけ赤らんで
用意していた温かいお茶を美味しそうに飲み干している
ありがとね
そう言って右手を上げ
笑顔を見せずに振り向いていてドアを閉める
Kさんは有名な居酒屋オーナーで父の親友で
熊大生に限らず地元の若い人達を引っ張り
たくさん幸せにしてきた素敵な男性だ
今は引退しているが
話をしていると勉強になることがたくさんあって
真面目に語るヒゲが滑稽に見えることすらある
ま
僕はKさんが大好きだ
そんなKさんのお風呂が壊れてしまって
修理している間にうちのお風呂に入りに来る
タケシ、ごめんね、ありがとね
暖まった、嬉しかった
よかった、これでよく寝れる
そんな言葉いらないから
偉そうにいつものように話してよ
ありがとう
嬉しそうで嬉しいよ
僕はKさんが来ていた数日間が楽しかったな
嬉しかった
そして今日
Kさんのお風呂は治ったらしい
朝から工事の人を見かけてちょっとだけ話した
ちゃんとやってねって
今日はKさんはうちに来ないなぁって思いながら勉強してると
トントントン
軽く叩くドアの音
Kさんの奥さんが満面の笑みで来てくれた
タケシくんありがとう
ワイン好きでしょ
まっ!!!
ワインも好き
気持ちのいい人も好き
ありがとうKさん
美味しく大事に飲ませて頂きます
Kさん、見込んだ通り良い人だ
ありがたい数日間でした
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