妄想膨らむ秋
少しだけ閉め忘れた窓の間から
冷たい風が足もとに吹いてくる
たまにビュウッと たまに優しく
柔かい人は僕の横に眠っていて
ほら、気持ちが良い風が入ってきたよと
優しく起こしてあげたくなる様な秋の朝
外に目をやるとまだ薄暗い空
そしてそこに浮かぶうろこ状の薄い雲は
闇夜と朝日に挟まれて綺麗なピンク色をしていた
ああ、秋がきたんだな
やっぱりやーめたって、また何処かに行かないよね?
このままずっとこんな朝を迎えれるかな?
もしも何処かに行ってしまってもきっとまた逢えるんだよね
顔も洗わず、その美しさに見とれてしまい
十数分ほど経った頃、風と一緒に甘い匂いがした
何の匂いなのか解らない
土の匂い、花の匂い、湿った風が何処からか運んできた良い匂い
甘くて薄く、気がつくと下顎の裏側から唾液が溢れてきた
そこに吹いている風も
さりげない日差しも
時々囁く様に吹いてくる風も
全てが淡く、薄くなっていく色彩も好き
秋の事を書いていたら
好き過ぎて結局何が書きたいんだか分からなくなる始末
いつか見た秋の空
どこか旅に出たいなぁ
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